黒酵母βグルカン(アウレオバシジウム)培養液テクニカルレポート


1 基礎データ 動物試験-1


黒酵母(アウレオバシジウム)培養液の抗糖尿病試験に関する報告

■株式会社アウレオ ■試験依頼先:NPO法人 日本サプリメント臨床研究会

要約

 黒酵母(アウレオバシジウム)培養液の抗糖尿病試験を、ストレプトゾトシン誘発糖尿病ラットを用いて実施した。インスリン分泌保進剤であるトルブタミド(200mg/kg)を陽性対照とし、試験試料であるアウレオバシジウム培養液(2g/kgおよび10g/kg)は腹腔内に投与し、投与前後における血糖値を比較した。
その結果、アウレオバシジウム培養液を投与することで、用量依存的に血糖降下作用が認められ、血糖降下率は2g/kg投与で15.1%、10g/kg投与で47.3%であった。陽性対照であるトルブタミド200mg/kg投与による血糖降下率が17.4%であったことから、アウレオバシジウム培養液10g/kg投与で、陽性対照薬よりも強い血糖降下作用が認められたことになる。この10g/kg投与量は、固形分換算(1.5%)では150mg/kg(そのうちβグルカンは32%含有)に相当する。
したがって、アウレオバシジウム培養液には、トルブタミドと同等、あるいはそれ以上に強い有効成分が含有されている可能性が示唆された。その有効成分がβグルカンであるのか、それともそれ以外の成分であるかは未定であるが、いずれにせよ、関与成分が特定できれば、トクホ候補素材としても有望で、ヒト試験を含め、さらなる試験検討が望まれる。

試験試料

黒酵母(アウレオバシジウム)培養液(β-グルカン-W, Lot. AK06017)

試験項目

ストレプトゾトシン誘発糖尿病ラットを用いた抗糖尿病試験

試験方法

■動物
 4週齢の雄性Wister系ラットを株式会社紀和実験動物研究所から平成18年3月29日に購入した。13日間の馴化期間を経て実験を行った。
■飼育条件
 ラットは2匹飼いとし、滅菌床敷(チップ)を敷いたポリカーボネートケージをクリーンラック(東洋理工)に収容して、室温23+-2℃、明暗各12時間(照明時間:午前7時〜午後7時)に設定した薬理試験動物室(第5動物室)で飼育した。飼料は固形飼料(オリエンタル酵母工業製:MF)を飲料水は水道水を給水瓶に入れて、それぞれ自由摂取させた。ただし、投与前日の午後5時、投与終了日午後5時からは絶食とした。
■操作
 インスリン欠乏型糖尿病ラットはストレプトゾトシンを投与して作成した。群分けは血糖値による層化法により行い、個体識別はピクリン酸塗布によって行った。
 すなわち、ラット30匹にSTZ(STZ,60mg/kg ip)を腹腔内投与し、試験前日に通常時の血糖値を測定し、血糖値が平均化するように5群に分けた。群分けした日を第1日目とした。それぞれの群に被験物質を第1日目と第2日目の午前10時と午後5時、第3日目の午前9時の合計5回に分けて腹腔内に、27Gの注射針を装着した注射筒を用いて投与した。1回あたりの投与量は、合計投与量の1/5で行った。すなわち、被験物質を2.5日間、計5回投与したことになる。
■群構成
群構成

■血糖値の測定
 血糖値は、投与開始日の前日と第3日目の午後3時に尾静脈から採血し、グルカードa小型血糖測定器(アークレイ社製)を用いて測定した。
アウレオバシジウム培養液の血糖降下作用

アウレオバシジウム培養液の血糖降下作用グラフ

結果

 STZで糖尿病態にされたラットに、アウレオバシジウム培養液を投与することで、用量依存的な血糖降下作用が認められた。その血糖降下率は2g/kg投与で15.1%(試験A群)、10g/kg投与で47.3%(試験B群)に及んだ。一方、陽性対照であるトルブタミド(tolbutamide)200mg/kg投与による血糖降下率は、17.4%(陽性対照群)であった。このことから、アウレオバシジウム培養液10g/kg投与で、陽性対照薬よりも強い血糖降下作用が認められたことになる。その値が正常群における血糖値と有意差がなかった。このことから、アウレオバシジウム培養液の血糖降下作用は、血糖値を正常値近くまで制御し得るものであることが分かった。

考察

 アウレオバシジウム培養液10g/kg投与量は、固形分換算(1.5%)で150mg/kg(そのうちβグルカンは32%含有)に相当する。したがって、アウレオバシジウム培養液には、トルプタミドと同等、あるいはそれ以上に強い有効成分が含有されている可能性が示唆される。その有効成分がβグルカンであるのか、それともそれ以外の物質であるかは未知である。いずれにせよ、関与成分が特定できれば、食品添加物として認可されている背景を利用してトクホ候補素材としても有望となる。したがって、ヒト試験を含め、さらなる試験検討が望まれる。

今後の試験研究に対する展望

1 活性画分と有効成分の特定研究
2 ヒト試験