βグルカンによって産卵誘発したペンギン

ペンギン会議ペンギン飼育技術研究会にて

ペンギン会議ペンギン飼育技術研究会にて、市立しものせき水族館海響館様から研究発表がありました!

「アウレオバシジウム(黒酵母)β-グルカン投与によるマカロニペンギンの産卵誘発について」

マカロニペンギンの国内の飼育数は10年前(2006年末)には36羽でしたが、この10年間で半分以下の15羽まで減少してしまいました。その背景には、国内での繁殖が軌道にのらないまま海外からマカロニペンギンを入手できなくなり、ペンギンたちが高齢化していったことがあります。2007年に1羽ふ化したのを最後にヒナの誕生はない状況です。(残念ながら、このヒナはふ化後まもなく死亡してしまいました。)現在マカロニペンギンは、まさに高齢集団となり、繁殖がより一層難しくなっているのです。
そのため、マカロニペンギンを飼育している動物園や水族館が協力し、繁殖を目指して努力しています。例えば、飼育環境をより適したものに整えたり、繁殖に適さないペアの組み替えや各施設の雌雄のバランスを調整したり、あちこちで飼育されていたマカロニペンギンをいくつかの施設に集めたり、できる限り繁殖成功の可能性を高めてきたのですが思うような結果が出ておりませんでした。

βグルカンによって産卵誘発したペンギン
市立しものせき水族館(海響館)提供

その中で20年以上産卵をしていなかった市立しものせき水族館にて飼育している雌2羽へアウレオバシジウム(黒酵母)β-グルカンの投与を実施したところ、産卵が確認できたというものでした。なぜ産卵をするようになったのか正確なことはまだわかっておりませんが、アウレオバシジウム(黒酵母)β-グルカンを投与していた期間と、投与していなかった期間の血液検査の結果を比較すると、投与していた期間の血液性状の変化は、他種のフンボルトペンギンの産卵前のものと同様でありました。

これらの結果から、長期間産卵していなかったマカロニペンギンにおいて、アウレオバシジウム(黒酵母)β-グルカンの投与が産卵を誘発した可能性があると示唆されました。
様々な努力のなか、やっとこれまで産卵していなかったマカロニペンギンの産卵までこぎつけたのです。今回産卵したマカロニペンギン2羽は高齢で、かつこれまで20年以上産卵したことがなかったため産卵は難しいと考えられましたが、様々な工夫を行い産卵させることができました。これは他の産卵しないマカロニペンギンや時々しか産卵しないマカロニペンギンも産卵できる可能性が大いにあると期待できるということです。

アウレオバシジウム(黒酵母)β-グルカンの持つ可能性が、20年以上もの間産卵をしていなかったマカロニペンギンの産卵に寄与できたことは、大変喜ばしいニュースでした。
今回は残念ながら無精卵であったため、最終目標である繁殖成功のために、今後も協力をしていきます。